紙には一枚ごとに方向があり、正しく問いかければどちらの方向に繊維が流れているかを教えてくれます。紙は抄紙機の上で連続したウェブとして形成されるため、繊維は進行方向とほぼ平行に並びます。この繊維の配列を紙の目(マシン方向)と呼びます。90度向きを変えると、繊維が紙を横切る方向である横方向(クロス方向)になります。
表面には違いが現れません。影響は後から現れます。折り加工でコーティングが割れる、夏の湿度上昇で紙が一軸方向に伸びる、冷蔵庫で一週間保管した後にボトルの縁でラベルが浮く、といった具合です。
印刷で紙の目が重要な理由
引張強度は紙の目に沿った方向のほうが高く、ウェブは高速で印刷機を通過しても破断しません。横方向はより弱く伸びやすい軸で、湿度変化で最初にカールする方向でもあります。多色印刷では、一方向に大きく伸びる紙はユニット間で見当が合いません。後加工では、紙の目を横切る折り加工がコーティング面を破壊し、背に目に見える割れを残します。ガラス瓶用の糊付けラベルは、紙の目がボトルを包み込む向きである必要があります。逆方向に裁断すると、紙は折れ目が付き、縁から浮き上がります。
まずサイズから判断する
ウェブから裁断された連量は、サイズの表記に紙の目が反映されています。用紙サイズは幅×長さで表記され、最初の数値が横方向です。787×1092 mm の用紙は、1092 mm の辺に沿って紙の目があります。包装紙がなくなった場合は、用紙そのものから判断します。
1. 引裂きテスト
折り目のない用紙を用意し、両方向にゆっくりと引き裂きます。まっすぐきれいに裂ける方向が紙の目に沿っています。裂け目が蛇行し、縁が明らかに波打つ場合は横方向です。用紙以外に何も必要としないため、最初に試す方法として最も一般的です。
2. 引張りテスト
対向する二辺を両手でつかみ、一定の力で引っ張ります。先に負ける方向が横方向です。90度向きを変えて繰り返し確認します。紙の目方向は明らかに長く抵抗します。
3. 垂れ下がりテスト
約100 mm×10 mm の短冊を、各軸に沿って1組ずつ裁断します。短冊の一端を持って残りを水平に突き出し、垂れ下がり方を観察します。大きく下に曲がる短冊が横方向です。より硬く、水平に近い状態を保つ短冊が紙の目に沿っています。
4. 縁の戻りテスト
用紙の束で、片方の縁を持ち上げて反対側に倒し、手を離します。ぴったりと平らに戻る縁が横方向です。用紙の間に目に見える隙間を残して戻る縁がマシン方向です。
5. 水滴テスト
サイズ剤を塗布していない紙の場合、用紙を平らに置き、水滴を落とします。水滴は楕円形に広がり、その長軸が紙の目に沿っています。
6. 浸水テスト
円形または正方形に裁断し、水に浮かべます。水分を吸収すると用紙は素早くカールし、カールする側が横方向です。平らなままの軸がマシン方向です。
7. 爪でなぞるテスト
爪で用紙を一方向になぞり、次に90度向きを変えてなぞります。一方はわずかに波打つ感触があり、もう一方は滑らかです。波打つほうが紙の目に沿っており、爪が繊維の配列と平行に進んでいるためです。
8. 試験室での測定
結果を記録として残す必要がある場合は、調湿した短冊を各軸に沿って裁断し、リングクラッシュ、耐折強度、引張強度を測定します。数値が高い軸がマシン方向です。この数値から、一定の湿度変化で用紙がどれだけ動くかも分かり、厳しい見当が求められる案件の計画に役立ちます。
測定結果を実務に活かす
紙の目が分かったら、それを基準にレイアウトを計画します。主な折り加工は紙の目と平行にすると、コーティングが折りに耐えます。表紙や上製本のボール紙は、紙の目が背に沿って縦方向になるようにします。ボトル用ラベルは、紙の目が円周を包み込む向きにします。厳しい見当を保つ必要がある枚葉印刷の案件は、紙の動きが最も少ない紙の目方向に長辺を合わせて計画するとよいです。
引裂きテストや垂れ下がりテストに1分費やすことで、半日分の不良を防げます。