黒に関する印刷トラブルの多くは、印刷機上ではなくデザインファイルの段階で始まります。デザイナーが画面上では正しく見えるページを入稿し、印刷会社が刷り出した途端、黒い文字に色の縁が付いたり、大きな黒ベタが色褪せて見えたりします。修正自体は簡単ですが、ファイルを書き出す前に決めておく必要があります。
単色黒とオーバープリント
単色黒(K100のみ)は黒い文字の標準的な設定です。その文字が明るい背景の上にある場合、オーバープリントは通常最も安全な選択肢です。黒版が下の色を抜かずにその上に印刷されます。小さな黒い文字や細い罫線にはオンにしてください。文字が暗い背景から抜かれている場合や、写真の上にある場合は、オーバープリントにすると文字が画像に埋もれてしまいます。
オーバープリントはファイル全体で設定が一致している場合にのみ効果を発揮します。多くのデザイナーはレイアウトデータでオンにしたまま、配置画像やPDF書き出しが独自の設定を持つことを忘れています。製版前に分版プレビューを確認するよう印刷会社に依頼してください。
大きなベタ部分にはリッチブラック
K100だけで作った大きな黒ベタは、しばしば平坦でやや茶色がかって印刷され、傷やインキのムラが目立ちます。印刷会社は通常、代わりにリッチブラックの混色を推奨します。一般的な配合はC20 M20 Y0 K100で、印刷機上で安定し、青みを帯びずに少し暗く調整できます。
総インキ量は配合と同じくらい重要です。コート紙では、4色の合計を300%以下に抑えてください。それを超えると、紙が乾かず、インキが次の紙に裏移りし、暗い部分にムラが出ることがあります。C20 M20 Y0 K100の配合は合計140%で、印刷機に十分な余裕を残しつつ、深い黒として認識されます。
小さな文字、細い輪郭、使用ソフトウェア
細い輪郭を持つ小さな文字は、ラスターファイルが苦手とする領域です。6ptの文字をPhotoshopに配置し300dpiで出力すると、輪郭がぼやけ、文字の内側の空間が埋まり始めます。小さな文字はIllustrator、InDesign、CorelDRAWで直接組んでベクターのままにしてください。エフェクト付きの大きなディスプレイ用文字は、解像度が十分高ければラスターファイルのままでも構いませんが、通常の本文テキストはそうすべきではありません。
アウトライン化した文字も最小限に抑えてください。文字を曲線に変換するとヒンティングが失われ、細いストロークが期待より薄く印刷されることがあります。
雑誌制作における本文サイズ
雑誌の本文コピーでは、コート紙上で7~9ptが実用的な範囲です。7ptを下回ると、細いヘアラインを持つセリフ体は崩れ始めます。特に文字がKのみではなく4色黒の場合に顕著です。1ptから100ptまでの見本シートを実寸で印刷し、最終的な用紙と比較してください。画面の100%プレビューでは、紙の上で文字がどう保つかは分かりません。
書き出し前のプリフライトチェック
- 黒い文字はK100のみに設定し、必要な箇所にオーバープリントを適用する
- 大きな黒ベタはリッチブラックの混色で作り、総インキ量を300%未満にする
- 小さな文字はラスター層ではなく、編集可能なベクターテキストのままにする
- フォントを埋め込むか、最終校正後にアウトライン化する
これらのチェックをプリフライトプロファイルとして保存してください。次回の案件では、修正のための再印刷ではなく、数分の確認で済みます。