フレキソ印刷機で色が淡く、くすんで見える場合、原稿データが誤っていることはほとんどありません。多くの場合、インキが被印刷物に届く時点で必要な量より薄い膜になっているか、そこに至る前にインキの濃度が失われています。フレキソ印刷はアニロックスローラーから感光性樹脂版を介してインキを転写するため、この工程のどこかに弱点があれば、シートやウェブ上の印刷結果が薄くなって現れます。以下に挙げる6つの原因を順に確認すれば、通常は数百枚の印刷で不具合箇所を特定できます。

1. 水性インキの水分が多すぎる
水性フレキソインキは実使用粘度で供給され、調整は少量ずつ計量して行うべきです。粘度を下げるために水を加えると、ビヒクルとともに着色剤も希釈され、加えるたびに印刷が薄くなります。インキパン、ポンプ、戻り配管に残った洗浄水も同じ影響を与え、一晩で症状が出ることもあります。著しく希釈されたインキは新しいインキに交換し、配管は排出して乾燥させ、水の添加量は目視ではなくシフトごとに記録してください。毎日の記録があれば、版に到達する前に緩やかな濃度低下を止められます。
2. アニロックスセルの摩耗や目詰まり
アニロックスローラーは印刷機全体の計量装置であり、その容積がチャンバーから出るインキ量を決めます。セルが浅く摩耗していたり、乾燥インキで一部が埋まっていたりすると、同じ設定でも運べる容積が減り、印刷が薄くなります。十分な明るさの下でルーペを使ってローラーを検査し、適切なセル開口用洗浄剤で洗浄したうえで、ジョブファイルに記録されたローラー仕様と彫刻を比較してください。圧力を上げたりインキを濃くしたりしても、ローラーが保持できない容積は回復しません。摩耗したアニロックスは調整ではなく交換の判断が必要です。
3. インキ粘度が実使用範囲を下回っている
粘度が低いと膜は薄く水っぽくなり、転写が悪く乾燥後の発色も淡くなります。インキは室温ではなく印刷機の温度で粘度カップを使って測定し、そのインキとアニロックス線数に合意された範囲と比較してください。低い測定値は水や溶剤だけでなく新しいインキで補正します。長時間の印刷では、インキパンから水分が蒸発して粘度が上がり、オペレーターが補充すると再び下がるため、一定間隔で測定してください。
4. インキ膜が薄すぎる
被印刷物上の膜厚は、アニロックス容積、インキ固形分、転写効率の積で決まります。最初の3項目に問題がなく、それでも色が淡い場合は、仕様範囲内で粘度を上げ、ドクターブレードの圧力を下げてセルに残るインキ量を増やし、濃度を確認しながらアニロックスへのインキ供給を徐々に増やしてください。転写しにくい被印刷物でインキの離れが悪い場合は、版にインキを溢れさせるより、処方に転写助剤を加える方が適切です。
5. 版圧が高すぎる
印圧が過剰だと画線部からインキが絞り出され、印刷が薄くなるうえ、エッジにドットゲインが生じます。版と被印刷物の圧力は、完全で鮮明な印字が得られる最も軽い設定にし、圧力を上げれば色が濃くなると決めつけずに濃度を再確認してください。アニロックスと版の接触も同じ考え方です。ニップが強すぎると、転写前にセルからインキをかき出してしまいます。
6. インキの着色剤が不足している
機械的な設定がすべて正しくても印刷が淡い場合は、使用している被印刷物とアニロックス容積に対して顔料濃度が単純に低すぎる可能性があります。これはドット欠けやスジがなく、薄いが均一な印刷として現れます。インキメーカーに、その印刷機に合わせた濃度の高い希釈インキを依頼するか、機械の転写特性に応じて現場で処方を調整してください。変更は、全数を印刷する前にドローダウンやスポット印刷で確認します。
印刷機での実践的な確認順序
最も安価で迅速な確認から始めてください。インキのロットと粘度測定値を確認し、アニロックスローラーの摩耗と乾燥インキを検査し、版とアニロックスの印圧設定を検証し、その後で膜量と乾燥を確認します。インキの処方を変更するのは、これら4つの手順を終えてからにしてください。各測定値をジョブシートに記録しておけば、次に同じ症状が起きたときの追跡が容易になり、シフト間で色が変動した際にプリプレス部門とインキ部門が共有できる基準にもなります。
淡い印刷は、インキの問題である前に測定の問題です。粘度、アニロックス仕様、印圧設定、濃度を記録する印刷機は色を許容範囲内に保てます。そうすれば上記の6つの原因は、シフト終わりの当て推量ではなく、既知の確認項目の短いリストになります。